相原正明の個人オフィスのホームページです

2019年4月〜2020年3月

メールマガジン 第98号〜第101号

第101号

本稿の画像は、桜庭吉彦氏作成のものです。

謹啓 家の窓から風花(晴天時に雪が風に舞うようにちらちらと降ること)を見、四十九日を終えた故父正毅(享年百歳)を思い起こしていました。
お変わりありませんか。今年初のメルマガをお届けいたします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第101号(R2.2.18)

― スポーツの魅力と振興 ―

「ラグビーではプレーに対する審判の判定に反発する選手はあまりいない。これは競技をスムーズに行うためのルールの大切さへの自覚とルールに従った進行を確保するという面倒な役を務めてくださる審判への敬意の気持ちからきている。」こう話すのは、永年ラグビー界をけん引してきた地元岩手の講師である。ハッとする言葉であった。

ラグビーワールドカップ2019大会は、日本チームの予想を越える活躍もあって日本中を熱狂させたが、もう一つにはラグビー競技の持つ独自の理念・精神「品位・情熱・結束・規律・尊重」が新鮮な感動を与え、改めてスポーツの持つ崇高な魅力を感じさせてくれた。

国籍や出身地の異なる多彩な選手からなる集団がワンチームとして強い精神的な結びつきを築き上げ、パワフルなチームとして躍動する姿は、世界は一つ、人類みな兄弟的な感覚を抱かせてくれた。また、ホーム試合、アウエー試合といった応援態勢に慣れ親しんだ目からは、応援するチームが異なる人々が隣り合って声を張り上げ、試合が終わると互いに健闘を讃えあうという光景に異次元の魅力を感じ、スポーツは本来こうあるべきとの思いすら抱かせた。

東日本大震災の被災地釜石では、地元の熱意が実り、ほど遠いと思われていた開催地実現を獲得しただけでなく、市民が熱く燃え、全世界に被災地支援への感謝の念を届けようと後世にも語り継がれるような活動を展開した。

このように大きな感動と共にスポーツ文化のもたらす社会に対する強い影響を示してくれた大会であったが、改めてスポーツとは何かを考えさせられた。

国のスポーツ振興基本計画の中でも、次のようなことが述べられている。
①スポーツは、自己責任、克己心やフェアプレイの精神を培うもので青少年の心身の健全な発達を促す②スポーツを通じて住民が交流を深めていくことは地域の一体感や活力が醸成され、人間関係の希薄化などの問題を抱えている地域社会の再生にもつながる③スポーツを振興することは、スポーツ産業の広がりとそれに伴う雇用創出等の経済的効果を生む④スポーツは世界共通の文化の一つであり、言語や生活習慣の違いを超え、同一のルールの下で互いに競うことにより、世界の人々との相互の理解や認識を一層深める

まさにラグビーワールドカップ2019と釜石開催の姿を代弁しているかのようである。いま一度スポーツの魅力を再認識し、心身ともに健全な人々と豊かな地域社会づくりのために、その振興に努めたい。

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世の父子の在り様は千差万別でしょう。古武士のような父は息子にざっくばらんに或いは深く入り込んで話をするということはなく、何かで怒った時に存在を相手に意識させる風でした。…今は深い恩を感ずるのみです。
新型コロナウイルスが登場しています。くれぐれもご自愛ください。

小園亭主敬白

・ このメルマガは、頂戴した名刺のアドレス等をもとに多くの方々に発信させていただいております。恐れ入りますが、もし不都合のある場合は、お知らせ願います。ご意向に沿って速やかに対処いたします。

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第100号

右の写真は釜石よいさ(お祭り)に参加したベトナム人技能実習生 (釜石市津田保之氏提供)

謹啓 わが家のささやかな屋敷内リンゴ園のふじが赤く色づいてきました。早春から健康づくりと自家消費を目的にわが子のように手塩にかけきました。毎日のように1個ずつ顔を見ては激励しているところです。
お変わりありませんか。メルマガをお届けいたします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第100号(R元.10.19 )

― 外国人材受け入れ円滑に ―

「震災後の人手不足は深刻化を増す一方、このままではお客様に多大なご迷惑をお掛けしてしまうという状況に至り、背に腹は代えられず受入を決めた」。こう話すのは、県内沿岸部の水産加工場で、30人近いベトナム人技能実習生を雇用する経営者である。
技能実習生は現在は最長5年までとなったが、短期間で帰国してしまう。文化・風習の違いがあり生活指導に手もかかる。また、賃金は同一労働の日本人と同じだが、受入機関への手数料や家賃補助、教育などで日本人を遥かにしのぐ費用が掛かるという。
しかし雇用してみると、10~20代の実習生たちは、まじめで明るく、仕事や日本語の覚えも早い。職場のムードメーカーのよう存在になり、同僚の日本人からも可愛がられている。スマホのテレビ電話機能で母国の家族と毎日会話ができ、ホームシックの心配もほとんどないとのことである。

全国的な人手不足の中、外国人労働者は年々増加傾向にある。本県でも2018年10月末時点で4,509人(うち技能実習生は2,803人)が働いており、人手不足に悩む企業のサポート役を担っている。
こうした中、国は専門性・技能を有する人材や単純労働など即戦力となる外国人材を幅広く受け入れるため、今年4月に出入国管理法を改正して新制度をスタートした。新たに創設した在留資格「特定技能」は、農業、漁業、飲食料品製造、建設など14分野において、向こう5年間で最大34万5千人の受け入れを目指している。

新制度は始まったばかりであるが、課題も多い。これまでも最低賃金額未満の賃金や不払い、過重な労働時間、労災への不十分な対応などの問題が出ており、失踪する技能実習生も相次いだ。
これに加え、新しい制度では同一職種内の転職が可能となるため、外国人労働者が賃金の高い大都市圏などに移動してしまうという懸念も指摘されている。

国は円滑な導入に向け、日本語学習機会の提供、相談・苦情への対応、日本人との交流促進などの支援計画を定めている。今後、国、自治体、受入れ民間団体・企業の連携した取り組みが不可欠である。
さまざまな課題を乗り越えながら、外国人材の受け入れ拡大を円滑に進めたい。深刻な人手不足を解消して産業・経済の安定発展とともに外国人との交流の深化を期待したい。

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気が付けば100号となりました。平成17年(2005)6月1日号が第1号でした。江刺市長在職の最後の年です。浅野史郎宮城県知事のメルマガに触発されたものでした。何号まで続くものやら。ご支援ください。

小園亭主敬白

・ 本文は、令和元年10月3日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。

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第99号

謹啓 昨夜、盛岡さんさ踊りの大パレードを観覧しました。嫁や孫娘がIBC岩手放送のグループに入って踊り、私は写真を撮ろうと附いて歩きました。県職員時代に6年連続で踊り行進したことを思い出し、感無量でした。
お元気でしたか。メルマガをお届けいたします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第99号(R元.8.3 )

― 日本の国際競争力強化を ―

ジャパン・アズ・ナンバーワンという言葉をご存じだろうか。米国の社会学者エズラ・ヴォーゲルが今から丁度40年前の1979年に著した本で、ベストセラーとなった。日本人が日本の経済・社会制度を再評価するきっかけの一つとなったとされ、現在でも日本経済の黄金期を象徴的に表す語としてしばしば用いられている。

この本が出される10年ほど前の1968年に日本はドイツを抜いてGDP(国内総生産)世界2位の経済大国となっていた。この数値は国家の財政規模とも連動し、その国の産業、インフラ整備力、国防力などまさに国力を示すものであり、先進国の最右翼の位置にあるものとして国民の誇りとなっていた。ジャパン・アズ・ナンバーワンはその心をくすぐるものでもあったのである。

ところがその後の日本の経済成長は次第に停滞傾向となり、ついに2010年に中国に抜かれたばかりでなく、米国や中国との差はどんどん拡大している。
国連統計による名目GDPで比較すると、1990年は、1位米国6.0兆米ドル、2位日本3.1兆米ドル、11位中国0.4兆米ドルであったが、日本が3位に転落した2010年は、1位米国15.0兆米ドル、2位中国6.1兆米ドル、3位日本5.7兆米ドルとなった。

驚くのは更に7年後の2017年でみると1位米国19.5兆米ドル、2位中国12.2兆米ドル、3位日本4.9兆米ドルと、米国は日本の4倍、中国は日本の2.5倍の経済規模となった。
1990-2017の間に、米国が3.3倍、中国が31.1倍の成長を遂げたのに対して日本は1.6倍の成長に留まっている。

こうした国力の差を如実に表すかのごとく、将来の国の発展を左右する第四次産業革命の要と言われるAI(人口知能)への国家投資を見ると2018年をベースとした政府予算(推計)は、米国5,000億円、中国4,500億円に対して日本は770億円と米中の2割以下であると報じられている。

最近の国内の景気をめぐる論議は、「2012年12月に始まった日本の景気拡大が戦後最長記録を更新したのかどうか」というものだが、果たしてこれで十分か。
明治維新を成し遂げた先人たちの、日本の国力に対する国際感覚豊かな危機意識、その解決への不退転の姿勢が改めてまばゆく思い起こされる。

現在の日本の安定した成長を是としつつも、あらゆる施策の基本となる国力のさらなる充実発展を図るため、改めて、国際感覚を研ぎ澄まし、国際競争力を強化し、ジャパン・アズ・ナンバーワンが再び到来する日の遠からんことを願う。

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熱中症対策という冊子も読んでみました。本気で取り組まないとうっかりミスで重症化しそうです。何かに夢中になって結果的に無理をしてしまう時など危険なようです。くれぐれもご留意され、良い夏をお過ごしください。

小園亭主敬白

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第98号

謹啓 熊本の孫2人と盛岡の孫2人が「じいちゃん」、「じじ」とそれぞれの呼称で迫ってきます。身体も財布もへとへとになりながら、一方ではこんなに幸せで良いのかとの想いを禁じ得ませんでした。
お変わりありませんでしたか。メルマガをお届けいたします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第98号(R元.5. 7)

― 新時代へ引き継ぐ課題 ―

まもなく終わる平成とはどのような時代であったのか。最近ご指導いただいた識者の一人は、戦争のない時代と言い、もう一人は経済が暗いイメージの時代と述べられた。
私が印象深く感ずることは、明治、昭和、平成の三つの時代に同じようなレベルで繰り返された大きな出来事が二つあったことである。
一つは大津波である。明治三陸地震津波、昭和三陸地震津波、平成の東日本大震災津波と、岩手の沿岸部を壊滅させるような大災害が襲った。
もう一つは、市町村大合併である。基本自治体規模を作るための明治の大合併、中学校を設置できる規模とするためなどの昭和の大合併、財政危機を乗り越えるなどを目的とした平成半ばの大合併である。
新時代にもこのような繰り返しがあるのだろうか。

ここで弊会の研究テーマとしてこれまで取り上げ、新時代に引き継ぎつつ、早期に対策の強化・確立を図りたい二つの課題を挙げたい。
一つは農政の大転換とも言える減反廃止への対応である。
終戦直後の深刻な食糧難を克服し、米を主食とすることが可能となったが、それを支えた食糧管理制度の赤字が拡大し、ついに1970(昭和45)年、米の生産調整いわゆる減反がスタートした。減反は米の価額を安定させ、農家所得の維持に大きく貢献したと言える。しかし、農家が自らの経営判断で作物を作れるようにする農業の実現を図るなどとして、2018(平成18)年産から減反廃止となった。
当面は安定模様であるものの、大規模農家や農業法人への農地の集約が進み、小規模農家が米から野菜等への転換を迫られるなど農村が激変の時代を迎えることは必至とみられる。中長期の展望に立った抜本対策の早期確立が求められる。

もう一つは、平成時代に生じた医師の地域的偏在・医師不足の深刻化である。
新しい研修制度の下で、新人医師を多数確保し、自治体病院等からの医師派遣要請に対応していた大学医局(教授中心)の力が大幅に弱まった。頼みの綱が切れた地方の自治体病院等は医師確保ができず、地域住民に対して必要な医療を提供できない苦境に陥っている。新時代における待ったなしの課題である。

これらは、いわば平成から令和への引き継ぎ事項の一端である。それぞれの分野で切実な課題があると思われる。新しい酒を新しい革袋に盛るように、新しい人材の力や新しい発想を新時代に投入し、大きく前進することを期待したい。

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我が家敷地内のリンゴ二十数本の花が一気に満開になりました。季節は異なりますが、島崎藤村の初恋の詩に出てくるリンゴをふと思いました。
ときにホームページの「心象スケッチ」などをご覧いただければ幸いです。

小園亭主敬白

本文は、平成31年4月26日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。

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