相原正明の個人オフィスのホームページです

2014年4月〜2015年3月

メールマガジン 第79号〜第82号

第82号

奥州市議選での政見を聴く会(H26.2.16)

謹啓 愛犬と夕刻散歩をしているとカラスの大群が家路を急いでいます。中にははるか後方から一羽だけで息を切らすように追っているものがいます。あわれを感じるとともに事情を聴きたくなりました。
お元気でしたか。メルマガ第82号をお届けします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第82号(H27.3.9)

― 市議選政見を聴く会のすすめ ―

花巻市議選での政見を聴く会(H26.7.6)

今年は統一地方選イヤーでもあり、知事選、県議選、市町村長選、市町村議選が数多く実施される。有権者にとっては最も身近な自治体の首長や議員を選べる貴重な機会である。大切な1票を投ずる前に立候補者の人となりや政策を十分比較し、検討したいものである。多くの場合選挙公報や報道によってその情報に接している。

直接立候補者の話を聞く機会はないのだろうか。選挙の告示後の選挙運動期間中には、街頭演説やその候補者の個人演説会で聞くことは出来る。しかし、複数の候補者の話を比較しながら聴く機会は残念ながらない。かつて、選挙期間中に候補者を一堂に集めた公営の立会演説会があった。しかし、候補者が支援者を動員したり、当該支援者からの他候補者への誹謗中傷が目立つようになるなどの理由により、昭和58年の公職選挙法の改正で廃止されたのである。

現在は、選挙の告示前に、民間団体が主催して立候補予定者の出席を求め、公開討論会等として行われる例がある。こうした取り組みを支援しているNGO(非政府組織)リンカーン・フォーラムによると平成23年の統一地方選挙では、全国で136の公開討論会が行われたという。内訳は知事選が7、市区町村長選が76、地方議会議員選が53であった。同NGOでは、公開討論会の意義について、有権者が政策や人柄あるいは政党の根本方針を見極める機会になるなどのほか、候補者側にとっても政策や理念を有権者に訴え共感を得る機会になるとして取組みを勧めている。

県内の状況を見ると首長選挙での公開討論会が企画実施されているものの、地方議員選挙ではほとんど行われていない。議員選挙の場合は、立候補者が多く、限られた時間の中での運営が難しいということがある。弊会が県南の2地域で実施した政見を聴く会(公開討論会とは若干異なる)でそれを実感した。しかし、運営の仕方は固定したものではなく、選挙関係法令に反しない限りにおいて様々工夫があって良いと思う。

自治体において議会議員の役割は大きい。二元代表制と言われ、首長とともに住民を代表している。その選挙に当たって是非このような政見を聴く機会を設けるべきである。県内でこの企画を目指す団体も現れ始めており、今後各地で工夫を凝らしつつ積極的に実施されることを望む。

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カラスは長命で頭が良く、一夫一婦制とのことです。気が付けば伴侶もおらず寒烏。季節の変わり目の時期の健康には十分ご留意ください。
小園亭主敬白

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災害公営住宅                仮設住宅

第81号

災害公営住宅

謹啓 お元気でお過ごしでしたか。今回初めての試みとして、他のNPO法人と協働して講演会・シンポジウムに取り組むこととしました。テーマは震災復興です。多くの皆様のご来場をお待ちしております(11月22日午後2時からプラザイン水沢で)。メルマガ第81号をお届けします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第81号(H26.11.7)

― 今こそ復興ソフト施策を ―

仮設住宅

「たまに元住んでいた被災地に行ってみると会う人会う人に早く戻って来てねと言われます。だから主人と二人で戻ることにしてるんです。ただどの場所に戻れるかはまだわかりません」とは、取材を受けたある女性の話である。彼女は内陸部の避難先の「みなし仮設」に住まいして3年半余になる。

本年8月に岩手県が実施した震災被災者意向調査の結果は衝撃的な内容でもあった。居住場所について「避難先に定住したい」とした人は内陸50.7%で1年前の調査より6.5%増え、県外も43.2%で前回より5.7%増えた。その一方「元の市町村に戻りたい」は内陸、県外とも前回調査より10%以上減少し、20%台にとどまった。復興が長期化するなか、避難者の地元に戻る意欲は低下する傾向にあるとみられている。

復興事業の進展はどうか。深刻な自治体の職員不足に対して国や全国自治体からの派遣応援が継続してなされている。進まない用地取得対策としてようやく法律改正がなされ、土地収用手続きが迅速化された。資材不足・高騰や作業員不足で工事入札の不調が続いているが一歩ずつ前進し、復興住宅建設や高台移転地造成などが目に見える形で動き出している。

これから大切なことは何であろうか。巨大防潮堤計画が被災地住民を推進派と慎重派に分断する「壁になってしまっている」との声がある一方、ワークショップ方式で地域住民とのきめ細かい対話を続け、スムーズに新しい土地区画整理の居住地域計画を仕上げつつあるというホッとする話も聞こえる。

一つには、被災され、避難されている方々の先の見えないことによる不安な心への手当が大切である。日日進む復興の槌音を実感していただき、復興地での生活設計に自信が持てる情報や支援措置が目に見える必要があろう。また、被災地に住む人々の心からの納得を得るためのきめ細かい対話や施策が必要である。

施設建設のハード事業は軌道に乗りつつある。今こそソフト施策に力を注ぎ、避難している人々の心をつなぎとめ、また被災地に住む人々の民意を丁寧に汲み取り、真の復興に結び付けるときではなかろうか。

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落葉樹のもとで箒片手に日日落ち葉の後追いをしておりましたが、気が付けば早や立冬です。お風邪を召されぬよう温かくされてお過ごしください。
小園亭主敬白

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蒋 介 石             魯 迅

第80号

謹啓 今年も颱風の進路にハラハラしながら日程表と睨めっこしています。
ところで颱風には自らの進路を決める意思も力もなく、周り(気圧など)に左右されるばかりと聞き、憐れと親しみを感じてしまいました。
お変わりありませんでしたか。メルマガ第80号をお届けします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第80号(H26.8.18)

― 日中韓は民間交流が鍵 ―

蒋 介 石

「怨みに報いるに徳をもってする」とは、太平洋戦争が終わった時、当時の中国国民政府の蒋介石主席が述べた言葉とされている。「これにより中国は日本に対して報復的なことや賠償の要求をしなかったのであり、日本人としては多としなければならない」と、かの松下幸之助翁は著書の中で述べている。

魯 迅

蒋介石と同時代の中国の小説家に「阿Q正伝」などで著名な魯迅がある。魯迅はかつて日本の仙台医学専門学校に留学し、そこで藤野厳九郎教授に出会った。魯迅に期待をかけ、ノートに朱筆で添削し続けてくれた。魯迅は深く感謝し、後にこのことを「藤野先生」という小説にしたが、広く中国の知識人に読まれ、日本人に対する認識という点で蒋介石のような軍人・政治家にも一定の影響を与えたとの説がある。民間の小さな心の交流が、巨大な政治決断の場面に何らかの影響を与えるという図式である。

日中の文化交流の深さは表現のしようもない。私はメールマガジン「国破れて文化あり」の中で、「北京の故宮博物院で、明の時代の作といわれる扁額の一つに出会った。『仁徳大隆』と大きく墨書されているのを見た時、現在我々が用いているものと変わらないと思いながら、つくづく文字文化の威力と日中の文化のつながりの深さを実感した」と記したことがある。こうした絆は一時の政治の激動、戦争、国体の変更などによっても不変と言える。

昨今の日中韓の首脳交流は行き詰まっている。歴史認識問題、領土問題などが理由で米国など国際社会からも心配されている状況にある。しかし、共通の文化を持つ日中韓の何千年の歴史の深淵から見れば、時の政治と政治家の思惑からする一時的なもの、一片の現象にすぎないのではなかろうか。むしろことを焦って本来譲るべきでない基本を傷つけることを憂うるものである。

国家間の関係構築は、その底流にある民と民の間の意識が基礎となっている。先般、東京都の舛添知事が朴大統領に面会し、自治体代表の立場で日韓関係改善のために尽力したことも報じられた。政府ではない、自治体、民間、個人が、深く長い歴史と文化を共有する大切な隣人との認識の下に、中韓の人々との交流を深め良好な関係を構築し続けるるならば、必ずや未来志向の新しい日中韓の絆が確立されていくであろう。

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冒頭の颱風に思いを馳せながら「颱風も人も周りに動かされ」と詠んでみました。とはいえ、あなどれない恐るべき颱風ではあります。十分お気をつけられ、無事に健康でお過ごしください。

小園亭主敬白

(注) 本文は、平成26年8月18日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。

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第79号

謹啓 庭の白木蓮の下には水仙のグループが勢力を競い合っています。愛犬に引かれるようにしてさらに進むと若草と土筆が沿道から声援を送っているようでした。自然の生命力にあやかりたいとゆっくりゆっくり歩みました。
その後如何お過ごしでしたか。メルマガ第79号をお届けします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第79号(H26.4.15)

― 農村対策に新たな手を ―

「あの荒廃した減反休耕田の惨憺たる姿を眺めるとき、誰が涙せぬものがあるだろうか」とは1970年に減反(米の生産調整)が始まった直後のある農民のつぶやきである。40年余り続いた減反の割合は実に40%にも達した。
これが安倍政権の農政改革により、5年後に廃止される。減反は、米価維持に一役かった半面、自由にコメを作れないことから農家のやる気をそいだといわれる。また、耕作放棄地の増大を招いたこと、伝統ある農業文化や農村の原風景が損なわれたこと、自然環境を変化させ生態系に影響を与えたこと、補助金や関税によって市場価格から遊離した食料品の高価格をもたらしたことなどが問題点として指摘されてきた。
では、減反廃止後はどうなるのか。まず、米を作りたいだけ作れることから米価の暴落を懸念する声がある。一方で、小規模農家の撤退により大規模農家に農地が集約され、また高付加価値戦略に長けた農業者への生産集中が進むことにより、日本農業の国際競争力が増大するとの期待感も出ている。
ところで、最近ある平地農業地域の会合で、大規模農家への農地集約が進む結果、多くの小規模農家とその家族が農業を離れるばかりでなく、地域から撤退し人口が減少する懸念があるので、その対策が必要だとの意見が出された。私は、これに加えて中山間地域への影響を心配せざるを得なかった。
耕地面積の40%、総農家数の44%(全国)を占める中山間地域は、比較的耕地が狭く、また傾斜地が多く、そもそも大規模農家への農地集積に多くの困難が伴う地帯である。米価の低落で農業を止めるにしても、農地を貸すこともままならず耕作放棄地が増える懸念が高い。平地地域よりもはるかに高い割合で農家と人口が減少するであろう。
それでも地域に残らざるを得ないお年寄り世帯は、どのように農村生活を組み立て、防災や医療、介護の問題に対処していけば良いのか懸念は強まる。いざ事があれば、数少ない消防団員等が独居老人世帯を回り、声をかけて安否を尋ねる姿は期待できなくなる恐れがある。
中山間地域を含む農村が果たしてきた国土保全機能、環境保全機能、また終戦直後に現れた最後の駆け込み寺的機能等を考慮に入れつつ、集落崩壊による危機的状況を可能な限り回避するための、新たな農村対策の手を打つべきときが来ている。

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冒頭の白木蓮を見て、三十代の若手女流俳人の「はくれんの祈りの天にとどきけり」という句を思い出していました。日々の営みや人生がこのように勢い良く順調に伸びてゆくことを願うばかりです。改めて皆様のご隆昌をお祈りします。

小園亭主敬白

(注) 本文は、平成26年4月15日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。

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