相原正明の個人オフィスのホームページです

2015年4月〜2016年3月

メールマガジン 第83号〜第85号

第85号

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
まずもって先程誤って古いメルマガをお送りしましたことをお詫びいたします。改めてメルマガ第85号を送信いたします。
以前から座敷に掲げていた古い掛軸に「竹に上下の節有り 松に古今の色無し」と有ります。一見同じように見えても違いがあるの意もあるようです。人世の年輪を重ねる中でこうしたことを深めたいと思いました。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第85号(H28.1.14)

― 住民と共に行革推進 ―

平成18年の記事写真

国も地方自治体も多額の借金を抱えて四苦八苦している。国は千兆円(国民1人当たり800万円余)を超え、地方自治体は全体で見ても200兆円を超えている。
国に関しては最近のギリシャの経済危機に関連させて、日本でも破たんはあり得るという学者がおり、自治体については実例として2007年に北海道夕張市が財政破たんしている。

同市では、国の管理下に入り、353億円もの借金を返済していくことになった。市民は、市民税、水道料などが軒並み値上げされ、職員数が半分以下となった市役所の窓口は縮小し、市立総合病院が診療所化されるなど住民サービスの大幅縮小となった。
同市から人口の流出が続いたのは必然といえる。このような夕張市予備軍は現在多く存在するといわれている。

以上のことは、各自治体において行財政改革が必須となっている背景でもある。国も地方も税収の伸びが見通せない以上、新たな行政需要に対応できる財源確保のためにも必ず成し遂げなければならないことである。

しかし、その道のりは現実には厳しい。選挙で選ばれた首長にとって、これまで提供していたサービスを削減することは、不人気政策そのものとなり、出足が鈍ることになる。
また、補助金などをカットされそうな団体等が自分の方ばかり割を食わないかと疑心暗鬼となり、徹底抗戦に出ることも想定される。

行革の実際の中味は、職員数の削減、各種補助金の削減、病院事業や観光施設事業等で赤字を累積させている公営企業の廃止・縮減などである。私が市長時代の行革による財源捻出の大半は職員数の削減に留まった。

各自治体が苦しむ中で、住民合意を得て行革をより円滑に進めるために次のことを提言したい。
①まず住民に対し、近未来の財政見通しと、行革により捻出すべき財源の目標額を示すこと②次にねん出した財源を具体的に何に使うかを示すこと③天王山ともいえる、どの事業を残し、どの事業を廃止・縮減するかの事業仕分けをオープンかつ公正なプロセスで進め、公平感を確保すること。この場合、その事業が果たしてきた歴史的役割を評価することも忘れてはならない。

住民の皆さんには、わが家の家計と同じであり、自分たちが納めた限られたお金で現在と将来の暮らしをどう確保するかの問題であるとの認識の下に、首長・議会任せではなく、積極的に参加し、協力することを望みたい。

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雪の少ない正月ですが、田野には雪と見まごうように白鳥が群れていました。寒さはしっかりありますのでくれぐれもご自愛ください。
小園亭主敬白

(注) 本文は、平成28年1月14日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。

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https://www.pon.waiwai-net.ne.jp/~ma230301 (相原正明行政文化小園 URL)
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第84号

謹啓 今日は義弟の葬儀の日でした。その遺骨を抱きながら、万が一にも躓かぬようゆっくりと歩みました。創設八百年余とされる古刹の石段からは黄金色の稲穂が大海のように見えていました。
お変わりありませんか。メルマガ第84号をお届けします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第84号(H27.9.3)

― 新有権者教育の充実を ―

選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公選法が本年6月成立し、来年夏の参院選挙から適用されることになった。その後は首長選挙や地方議会議員選挙に順次導入されていく。全国では約240万人が、本県では約2万人が新しく有権者に加わる見込みである。
若者の政治離れ、低投票率が叫ばれて久しいが、この改革はこうした傾向に歯止めをかけ、風を巻き起こすきっかけとすることができるであろうか。

政府は若年層の投票率向上のため、高校生向けに選挙の意義などを解説した副教材を作成し、模擬投票も各地で実施するという。これを受けるように中教審の次期学習指導要領の改定骨格案では、高校の「公民」に「公共」を新設し、選挙権年齢の引下げを踏まえた学習内容の例を挙げた。
人生経験のまだ浅い新有権者に政治や政治家の意義・役割、選挙の位置づけなどを理解させることは至難である。単に模擬投票を経験したとしても継続した関心には結び付きにくいであろう。

私はかつて首長の立場で、各小中学校を訪問し課外授業を行ったが、児童生徒に自治体や首長等の役割を理解させようと腐心した。朝起きて飲む水の確保、毎日通学する道の整備、学校の建設、学校内の机や椅子の用意等の子供たちにとって身近な実感の出来る話から始めた。反応は如実に感じられた。

新有権者に対しては、常日頃関心を持つと思われる就職先の確保、インターネット環境、運動場の整備等のことがどのように政治・行政とかかわるのか、また、それを決定する首長や議員の有りよう、更にはその人々を選ぶ選挙の仕組みと実情という順で理解と関心を深めさせるなどの工夫が大切である。例えば一方では、仮想の自治体の働く場の確保、ゴミ処理、医療、福祉、治安などすべての分野にわたってどう仕組みをつくり、どう運用するか、それを誰が決めていくかなどを白紙から話し合わせるのも一つの方法である。

最後にやはり同世代から立候補者が出やすくなる環境づくりである。市町村議会議員でいえば、職業として成り立つ、または通常の職業との両立が十分可能な制度とその運用が、時間がかかっても充実されていくことが肝要であろう。

今回の70年ぶりともいわれる改正をきっかけに若者の政治・選挙への関心が高まることを願いながら、関係者のあらゆる角度からの努力を期待したい。

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妹(亡義弟の妻)は、悲しみに沈みながらも、お導師様の話の一節に鴨長明の方丈記が出ていたと話していました。
まだ残暑もある中、ご健康にくれぐれもご留意ください。

小園亭主敬白

(注) 本文は、平成27年9月3日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。

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第83号

謹啓 散歩の道すがら菜の花やクローバー、土筆などの草花に目を留めますが、毎年少しずつ変わるのを見て、生存競争の厳しさも感じます。定数1の選挙区の選挙戦のごとしです。
お元気でしたか。メルマガ第83号をお届けします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第83号(H27.4.24)

― 人口減少に向き合おう ―

人口減少問題が大きな関心を呼んでいる。
前岩手県知事の増田寛也氏が座長を務める日本創成会議が出したレポートの中で、「消滅可能性都市」という衝撃的な用語を使い、しかも896自治体の実名を挙げるという手法で一気に注目を浴びることになった。20~39歳の子どもを産める年齢の女性の人口推計という新しい要素も加えた。
これを受けるようにして政府も「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げるなど地方創生に本格的に取り組み始めた。県や市町村も早速人口減少問題対策本部を設置するなどしている。

こうした機運を活かし、あらためて誰もが何となく感じていた人口減少という問題に向き合い、少子化対策、人口の社会減対策などに官民挙げて取り組むことは地域の活力を生むためにも歓迎すべきことである。特に、自治体が国の支援を引出しながら、人口減少対策を切り口に施策を総合的に再編成して強化することは大切なことである。

ところで、良く考えてみると「地方消滅」の「地方」とは何を指すのであろうか。消滅可能自治体というからには市町村を指しているようにも思われる。しかし、人口が減少するから市町村が消滅するということはそもそもありえない。自治体の区割りは人為的なもので、必要があれば拡大(合併)すればよいからである。昭和の大合併の時は、中学校を設置運営しうる規模を目安に町村の再編成が行われた。
自治体ではなく、地域と考えようとすると何人でも人が住む以上表現としてそれもおかしい。せいぜい「住む人がまばらになり過ぎて著しく暮らしにくくなった地域」ぐらいの意味にしかならない。
増田レポートは上記のような言葉を使いつつ、緊急に国全体の人口とその配置りあり方を見直し対策を講ずるよう求めたものと受け止められる。時宜を得た大きな政策起爆剤を投じたものとして評価したい。

ただし、自治体においてはこの際、人口減少という厳然たる事実を基本的に受け止め、正面からその中における住民の健康、安全、暮らしの利便、働く場の確保等の対策を再構築すべきである。自治体間の人口の奪い合いのようなことには自ずと限界がある。
人口減少に伴い財源も漸減してくるので、先憂後楽よろしく先先に住民と協議し、その合意を得ながら、新たな時代の安定した生活と心豊かな地域づくりに取組むことが肝要である。

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水仙の花はチューリップと違い雨でも開いたままですが、背中合わせに輪を作り受粉しやすいよう工夫もしているようです。水仙や背を向けるもの笑うもの。 季節の変わり目のご健康にくれぐれもご留意ください。
小園亭主敬白

(注) 本文は、平成27年4月22日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。

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