相原正明の個人オフィスのホームページです

MENU

2026年4月~2027年3月

メールマガジン 2026年4月~2027年3月

 

第 123 号(2026(R8).5.11)

謹啓 晴れ渡る5月の空の果てから、鮮やかな飛形で千里を進んで訪れる鳥があります。ツバメです。今年も我が家の戸を叩いてくれるでしょうか。いかがお過ごしですか。メルマガをお届けします。

相原正明行政文化小園 メールマガジン第123号(R8.5.11)

       ― 外国人との共生議論深めて ―

4月1日の新入社員入社式の報道で、岐阜県のある大手物流会社では初めて外国人ドライバーが入社したと報じられた。インド国籍の5人を特定技能制度(在留資格制度の一つ)を活用して採用したもので、人手不足対策、多様な人材の確保、安定した輸送体制の構築を目的としたものである。

日本における外国人労働者数は、2025年10月の国統計によると、13年連続で過去最多を更新し、前年から11.7%増の257万人余となり、岩手県においても年々増加し、既に8千人を超えていると報じられている。日本の人口減少が不可避な中で、産業経済の活力を保持し、介護をはじめとする福祉の後退を防止するためにも正面から外国人労働者の適切な活用を推進すべき時代が来ているとみられる。

ところが課題は山積している。さきの国政選挙では、外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民からの不安の声が上がっているとして、一部の政党がさまざまな規制強化の論を展開する事態となっている。高市首相も2月の施政方針演説で「外国人との秩序ある共生社会の実現」と題して、排外主義に陥らないことに留意しつつ、問題ある行為に毅然と対応することや不法滞在者ゼロプランの推進などを掲げた。この演説では、外国人に対する日本語教育の充実や日本の制度・ルールの理解促進に取り組む旨も表明しているものの、取り締まりの強化が前面に出ている感がある。

外国人受け入れの基本方針はどのようになっているのか。なぜ外国人労働者が激増していることに対する国としての正面からの評価・基本姿勢が不明瞭に見えるのか。一部識者が述べるように、本格的な移民政策是非論議となることを避けて、なし崩し的に外国人労働者の導入を図ってきたのであろうか。全国知事会が昨年外国人受け入れに関する戦略や基本法の制定、司令塔となる組織の設置を国に求めたのはそのためである。

世界をみると欧州地域では、日本より数十年早く、単なる労働力問題だけではない外国人社会統合政策(地域社会の一員として共に暮らす基盤を整える政策)に取組み、成功と失敗の両方を経験してきたといわれる。日本においても外国人との適切な共生に向けて、上述の欧州の先行事例なども参考とし、基本的・長期的視点に立った国民的論議を深め、前進していくべき時期ではなかろうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

司馬遷が著した史記の中に、秦末の農民蜂起の指導者である陳勝が発したかの有名な言葉「燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」があります。もう少し燕を高く評価していただきたかったと、つい思いました。季節の変わり目には特に留意され、ご自愛ください。                                    小園亭主 敬白

・ 本文は、令和8年4月24日付けの岩手日報紙「日報論壇」に掲載されております。また、本メルマガに転載することについて岩手日報社の許諾をいただいております。

・ このメルマガは、頂戴した名刺のアドレス等をもとに多くの方々に発信させていただいております。恐れ入りますが、もし不都合のある場合は、お知らせ願います。ご意向に沿って速やかに対処いたします。

PAGETOP
Copyright © こちら相原正明 行政文化小園 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.