別館 海軍主要軍用機写真館

*写真は全て大日本帝国海軍省公表写真(無断転載厳禁)

なお、各機種の詳細な解説は、市販の良書を参考にしてください。
管理人の私見もありますが、海軍機関連はファンも多いので各自の価値観が優先すると判断します。

戦闘機(艦上戦闘機・水上戦闘機・局地戦闘機・夜間戦闘機)
爆撃機(艦上爆撃機・陸上爆撃機)
攻撃機(艦上攻撃機・陸上中型攻撃機・陸上大型攻撃機)
偵察機(艦上偵察機・陸上偵察機・水上偵察機・水上観測機)
飛行艇/練習機/特種飛行機(グライダー等)


爆撃機(艦上爆撃機・陸上爆撃機)
日本海軍の爆撃機は基本的に急降下爆撃機のことであり、艦上爆撃機と大戦末期の陸上爆撃機がある。
なお、通常の水平爆撃を行う機体は全て攻撃機の分類となる。外国文献では便宜上、双発の爆撃機・攻撃機を一括して爆撃機にしている。

艦上爆撃機

九四式艦上爆撃機
日本最初の艦上爆撃機で、敵艦船への急降下爆撃を実現した機体。支那事変初期に活躍。
最大速度260㎞/h、機銃3、爆弾250kg


九六式艦上爆撃機
複葉艦上爆撃機の最高傑作で支那事変を通じて地上援護などに大活躍した。時には空中戦を挑むこともあった。
最大速度300km/h、機銃3、爆弾250kg


九九式艦上爆撃機一一型
真珠湾攻撃からガダルカナルの攻防まで、艦上爆撃機の威力を世界に示した傑作機。
インド洋で英国巡洋艦に対し、命中率約90%という驚異的な戦果をあげた。
反面、ライバルのSBDドントレスは450kgの爆弾を装備でき、武装も13ミリ4門と強力だった。
九九式艦爆は防弾も欠如し、武装も米軍最新戦闘機に対抗できるほどのものでもなく、
次第に強化された艦隊側の防空火力の前に損害ばかりが目立つようになっていった。
最大速度380㎞/h、武装:7.7㎜機銃3(固定2・旋回1)、250kg爆弾+60kg爆弾×2


九九式艦上爆撃機二二型
11型のエンジンを強化し、各部をリファインしたもの。速度が時速424㎞代に向上したがその他はあまり変化は無い。


艦上爆撃機「彗星」一一型
九九式艦爆の後継で、あまりの高性能から最初は二式艦上偵察機として配備された。
ドイツのダイムラーベンツDB600系列エンジンを国産化した熱田12型水冷エンジンを装備、爆弾も500kgまで搭載可能。
何より最大速度は550㎞/hに達し、時速500㎞級で敵艦隊に接近可能な世界最高性能の艦上爆撃機である。
航続距離も2930㎞に達し、防御面も考慮を払われるなど至れりつくせりの内容であった。
反面、製作は面倒で、肝心のエンジンが性能不安定な上、大量生産が始まった時点で優秀なパイロットは減少しており、厳しい戦いを強いられた。
しかし、VT信管を使用し、開戦時では想像すらできないほど濃密な対空防御砲火を突破できる日本軍攻撃機・爆撃機は「彗星」位のものであり、
フィリピン沖での空母「プリンストン」を一撃での撃沈、沖縄戦での特攻隊の活躍など実績は大いに評価できよう。
最大速度550㎞/h、武装:武装:7.7㎜機銃3(固定2・旋回1)、500kg爆弾+60kg爆弾×2


艦上爆撃機「彗星」一二型
発動機を更に高性能の熱田32型に換装したもの。最大速度580㎞。同じく不調に泣かされた。


艦上爆撃機「彗星」三三型
工業力の低さから水冷エンジンが不調続きのため、ついにエンジンを空冷の金星に替えたもの。
昭和20年に入ってから活躍を始めた。性能が安定したため期待されたが、制空権を失い思うような活躍は出来なかった。
この三三型から発展し、特攻用に800kg爆弾を装備できる四三型も開発された。


陸上爆撃機

陸上爆撃機「銀河」一一型
銀河は、雷撃と急降下爆撃、遠距離偵察も可能な万能高性能機であり、日本海軍の技術の粋を集めた軍用機だった。
エンジンは2,000馬力級の「誉」を採用。額面性能は最大速度546㎞/h、航続距離5400km、武装:20㎜機銃2、500kg爆弾×2or航空魚雷1。
構造でも艤装でも当時最先端の技術が惜しげも無く投入され、洗練されすぎたデザインは整備性を低下させた程だった。
彗星も同様だが、電動部品が多く、電気系統が弱い日本軍としては手に余るものだった。加えて誉も不調で整備員を泣かせた。
それでも調子が良ければ世界最高水準の爆撃機である事に変わりなく、
大戦末期に敵機動部隊の防空網を突破して中央に布陣する空母を撃破する事も度々であった。
VT信管+ありあまるグラマン戦闘機、レーダー警戒網というアメリカの機動部隊が誇る防空システムに対しては、
攻撃機の速度性能が物を云う事を示した良い例が、彗星と銀河であると私は思う。
惜しむらくは、彼らを途中まで守る戦闘機が零戦しかなかったことだろう。
陸軍はM4戦車への有効な対抗手段を欠き、海軍は機動部隊を撃破出来なかった事がアメリカ軍への最大の戦術的敗北であった。


陸上爆撃機「銀河」一六型
銀河は、海軍の大いに期待するところだったが、不調が続いたため、各種改造が同時並行で様々行われた。
その一つが、一式陸上攻撃機で安定した性能を出した火星エンジンへの換装であった。と書けばもっともらしいが、
銀河の高性能に期待して夜間戦闘機に改造した「極光」があまり役に立たなかったので、
改めて爆撃機に戻したもの。珍しい機体ではある。


戦闘機(艦上戦闘機・水上戦闘機・局地戦闘機・夜間戦闘機)
爆撃機(艦上爆撃機・陸上爆撃機)
攻撃機(艦上攻撃機・陸上中型攻撃機・陸上大型攻撃機)
偵察機(艦上偵察機・陸上偵察機・水上偵察機・水上観測機)
飛行艇/練習機/特種飛行機(グライダー等)
*区分は昭和18年当時の海軍省公表の分類に準じた。


2009年/2669年?平和ミュージアム旧日本陸海軍博物館