展示内容3 戦時生活資料

ここでは当館の展示物の一部から、戦時下の生活(軍事後援組織など)に関するものを紹介します



 
左)「国民服」(上製)国民精神の動員や、戦時下における物資統制のために企画服として推奨された。    
右)同じ「国民服」(上製)に「国民帽」、左肩からケンバスの雑嚢(肩掛鞄)、正面には防毒面入れを展示した。


右)「警防団」用民間型鉄兜(鉄製プレス型)
左)紙ないしファイバー製の子ども用「鉄兜」。玩具と推定


空襲に備えた防空の品々
左は「水澤町大町」(現・奥州市水沢区大町)の防空用メガフォン
中央は防毒面ケース。写真の物が入っていたが、別物のようだ。
右)昭和化学工業昭和十三年製の直管型防毒面(ガスマスク)
民間用のガスマスクで、08年に発見。現在もゴムが生きており使用可能である。
 
左右)同じものを裏返して見る
喉の蜂の巣状のものは空気弁。また、レンズにのびるゴムの管は三叉管といい、空気を送り、曇り止めの役割を果たす。
使用は、瓦斯警報が出たならば、即座に装面し、固定バンドを強く締め、顔とマスクを密着させる。
軽く息をしてみて、呼吸ができないほど空気の漏れが無い場合、初めて、ガスマスク下部にある吸収缶の栓を抜き呼吸をおこなう。
(掃除手入れ後、主任研究員が当時の教本を基に実際に行った。二度とこのようなものを必要としない事を祈る)


これは戦時中の量産型防毒面各種。性能は気休め程度であったろう。



戦争が激化すると物資が不足してきた。
右の水筒は「セルロイド製」、中央は「焼き物製」、左は「ガラス製」にセルロイドカバー


在郷軍人・青年学校等の準軍事組織の展示品も収蔵しています
上)左右・「教練用布製弾薬盒」(アーマード・ポーチ。弾入れ)*おそらく青年学校用。 中央・布製銃剣吊
下)右・在郷軍人会のプレート。中央・帝国在郷軍人会釜石市分会の腕章(現・岩手県釜石市)
下左)「奉公袋」(末期の小型タイプ) 軍人手帳や勲章など、在郷軍人が有事に備えて必要な物を入れておく袋


愛国婦人会・国防婦人会の襷
戦時中の標語「兵隊さんは命がけ、わたくし達はたすき掛け!」
*出征兵士の見送り。銃後の家庭の慰問や保護などに活動した。


「慰問袋」と出征の「のぼり旗」
中央の慰問袋は未使用品。戦地へ手紙や生活雑貨などを詰めて送り兵隊さんに喜ばれた。
左端の慰問袋は、戦地に送られ、帰還した大変珍しいもの。
送り主は「岩手県江刺郡愛宕村」(現・岩手県奥州市江刺区愛宕)で、袋は岩手県盛岡市のデパート「川徳」製


従軍看護婦の制服
あらゆる戦役を通じて、赤十字看護婦の活躍は有名である。


この他に、当時の着物の柄も、団扇の絵も、筆箱やノートに至るまで「兵隊さん」一色の時代

今日の我々が想像する以上に、戦争と一般国民は繋がりを持っていました。

どうか、この事実を忘れないでください。

日本の戦争の歴史は、我々自身の歴史なのです。

本館にあるすべての展示物は、永遠の時間に朽ちてゆくまで、
我が日本で戦火が無いことを節に祈っているのです。


2009年/2669年ⓒ平和ミュージアム旧日本陸海軍博物館