今日は猫家の猫では最年少の、ちょびひげタインを紹介します。 タインが猫家の一員に加わったのは、ある雪の降る寒い朝。小さい体がプルプル震えながらも、必死に生きようとしていたのを思い出します。 それでは、小さな物語の始まり、始まり・・・。
タインは去年の12月の寒い朝、小さなスーパーの買い物袋に入れられて近所のお婆さんに連れられ猫家に来ました。 猫家は山のどん詰まりに近いので、時々捨てられた犬や猫が迷い込んで来ます。タインもそのひとり。裏の杉山に捨てられた生後4ヶ月くらいの子猫でした。 お婆さんは、自分の家に現れてニャアニャア泣き叫ぶその子猫はてっきり猫家のだろうと思って、親切にも連れて来てくれたのです。 小さな体はげっそりと痩せこけ、鳴き続けた声はとうに枯れ果ててガラガラ声。それでも精一杯に声を張り上げて、いつまでも必死になって鳴いているのでした。

【猫家に来たばかりのタイン。いつも小さくなって・・・】
猫家には当時9匹の猫たちがいました。一番若い子猫たちで生後8ヶ月です。その中でタインは一番下の弟分として、迎えられることになりました。 ところが、猫家には猫たちの厳しいしきたりがあります。
夏でも冬でも一年中、猫は外で寝る。 食事は一日2回、決められた時に食べる。間食はしない。 食卓やコタツ、流しの上に上がってはイケナイ。 名前を呼ばれたら、ハイと手を挙げて返事をする。(ウソです) タインは何度も何度も叱られながら、それらのきまりを守って、晴れて猫家の一員となるのです。

【当時の猫の家長、ヤマトから猫家のしきたりを叩き込まれるタイン。】
始めはひとりだけ痩せっぽで小さくて、兄貴たちのいいおもちゃになっていたタインも、冬の間木々が地面の下に根を張るように、徐々に徐々に体力をつけて行きます。 犬のスヌーピーも折に触れタインを厳しく鍛えてくれます。 タインは雪が溶けて春になるにつれ、大きく、逞しくなって行きました。
もう高い石の上にもジャンプできます。 木登りも上手になりました。 追いかけっこもなんのその。 でもまだスヌーピーには負けます!(アタリマエだっ!)

【春が来、夏も近づいてタインもだんだんと逞しく育ち・・・。】
そして夏が近づく頃、タインはもう兄貴たちに一歩も引かないほど、逞しいオス猫に成長していました。

【ロッキーとタイン、大の仲良しコンビ。もうタインも負けてなんかいない!】
タインもそろそろ満1歳。この頃はすっかりマッチョになり、既に避妊手術を受けたコマリンやマスキーに向かってハッスルしています。(彼女らとても迷惑しています。) 「そんなところじゃなくて、世間に出て男になって来い!」と言うと、「ボクまだ練習中。」と、その時だけ子どもになるタインでした。

【すっかりふてぶてしくなった最近のタイン。】
雪降る杉山に捨てられ、子どもの頃危うく死にそうになったタイン。 優しいお婆さんの縁あって生き延びたタイン。さて、タインはこれからどのような猫生を送ることか、ちょっと不安もあるけれど楽しみにしています。 みんなも思い出す時があったら、ちょびひげタインを応援してね! (ちっちゃなあごひげと口ひげが目印です。) |