館 戦時生活資料
戦前/戦中の雑誌コレクション1



雑誌「独立青年」昭和七年四月号/六月号
満州事変頃の青年向けビジネス雑誌。表紙デザインもモダニズムや前衛表現の影響があるが、戦争の足音が聞こえ始める。


雑誌「戦友」昭和十一年十二月号(表裏)
在郷軍人会の機関誌で、広く購読が勧められたが、内容が面白くないなどの理由で、現存数は少ない。


雑誌「家の光」昭和十三年十二月号/昭和十七年九月号
現在も現役の産業誌。いまでこそ、農村の家庭生活に特化しているが、戦前は都市版も存在した。

同じく「家の光」昭和十三年臨時増刊「戦時貯金は組合へ」
こういう雑誌などの宣伝があることを理解して、はじめて、田原村のある農家が同村信用組合に複数の愛国的な貯金通帳を持たねばならなかったかが理解できる。


 
そして、戦争の足音が聞こえる
雑誌「モダン日本」昭和16年12月号  大東亜戦争(アジヤ・太平洋戦争)直前の雑誌
雑誌「建設青年」昭和18年6月号 戦時下の雑誌の表紙は勇ましい(独立青年改題?)

 
雑誌「子供の科学」昭和十七年二月号/四月号
大東亜戦争(アジヤ太平洋戦争)緒戦の勝利を意識して航空母艦「蒼竜」や海軍落下傘部隊の表紙

 
雑誌「学生の科学」(昭和十八年四月号)/雑誌「機械化」(昭和十七年十一月号)
戦時中の航空雑誌、艦艇雑誌、科学雑誌などは、子供たちへ陸海軍の最新兵器予備教育雑誌として機能しており、豊富な内容は現代の研究者を唸らせる程だ。
青少年の純粋な眼には、やはり、相応の情報量を与えなければ納得しなかったということであろうか?


幻の雑誌「戦線文庫」臨時増刊・海の少年兵 (昭和十九年十月号)
戦線文庫は、外地の将兵慰問、内地の関係者にのみ頒布された幻の雑誌である。
幻想文学空想科学小説系の有名作家が寄稿していることで本誌は非常に高価かつ稀観本である。
しかし、そんな戦時下の数少ない娯楽雑誌も、軍の宣伝雑誌として臨時増刊を出さねばならなくなった。

露骨な表記や宣伝が、大東亜戦争末期の事態の全てを象徴している。


2009年/2669年?平和ミュージアム旧日本陸海軍博物館